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2012年12月

2012年12月29日 (土)

★劇団新感線『五右衛門ロック3』を見る。すごく楽しい!!けど私が見たいのは若者じゃなかった(笑)

今年最後の観劇は、何も考えずぱーっと派手で楽しい演目が見たいと思い数年ぶりの新感線『五右衛門ロック3』を見てきた。(「3」は文字化けするのでこの表記ですみませぬ)
ネタバレで振り返ります。

キャスト
石川五右衞門=古田新太 明智心九郎=三浦春馬 猫の目お銀=蒼井優 シャルル・ド・ボスコーニュ=浦井健治 春来尼=高橋由美子 前田慶次郎=橋本じゅん 石田三成=粟根まこと マローネ=高田聖子 蜂ヶ屋善兵衛=村井國夫 豊臣秀吉=麿赤兒 他

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あまり何も考えずに見に行ったが、ネタものでした。
最近戦国鍋にはまっていたのだが「そうだ。そもそも新感線のネタものとはこういう系統だった!」と思い出したよ。
そして新感線は同じネタものを、お金をかけて、めちゃくちゃ歌が歌える人にくだらない歌を歌わせる、めちゃくちゃ贅沢な無駄遣い(笑)をしているんだったよ~。と思いました。

すごく面白かったんだけど、
・1F後方だったので、シアターオーブの音響がすごく悪い。
ほぼ、歌詞が聞き取れない(号泣)。特に声の高い人は全滅。蒼井優ちゃんが特に聞こえなかった(泣)。
ロックとこの劇場の相性は良くない(泣)。
・私、若い人を見たい訳じゃなかった(笑)!!春馬君も優ちゃんもがんばっていたけど、私、何故2作目の薔薇とサムライの方を見なかったのか??
という主に二つの理由で、そこまで楽しみ切れなかったのが残念であった。

特に音響は・・・新感線はシアターオーブはもう使ってはダメでしょう。というレベルにダメだった(泣)。
ここまで聞き取れなかったのは、新国立で「our house」見て以来です・・・。


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久々新感線。というか、新感線自体3回目で、過去2回はシリアスものの時だった。
でもちょこちょこ新感線役者陣は客演している所を見ていて、そして夏に一体何をどうしてか、イケメンわらわら舞台『abc赤坂ボーイズキャバレー 3回表』に粟根さんが出演されていて、いやいやこんな所で腹話術師(しかも終盤は諸事情により腹話術人形を人間の鈴木拡樹氏がやっているので見た目が怖い・笑)やってる場合じゃないよ粟根さん!!そうだ。実家(=所属劇団)で伸び伸び演じる粟根さんを見に行かねば。みたいな気持ちもあり、あ、浦井君出るんだ~ほんとは薔薇サム見たかったの!!という気持ちもあり、あまり内容を知らずにチケット入手。

村井国夫とか麿赤兒とかも出ていてびっくりした。
二人ともすごく素敵だった。
新感線役者陣もみんな素敵だった。
客演陣もよかった。

でも何かが物足りなかったのは何だろう・・・。
やはり音響がいまいちだとすべてがいまいちに~。何とかしてオーブの人。

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新感線は、やっぱり「ここで決めがほしい!!」という所でかっちりキメが入り、日本人が好きだなと思えるぐっとくるさりげない男の友情とか、一度決めたら決して裏切らない主従関係とか、基本を押さえた作りで、見ていて気持ちがいいなと改めて思った。
悪役の美学とか。

あと多分全然気づいていない小ネタがいっぱい仕込まれているんだろうな~という所。
これエリザの冒頭ですよね。という音楽が突然入ったり。「商人・ザ・スーパースター」てなんだよ!!とか(笑)。
新感線を見る人は割とミュージカル系好きな人が多いのかな。歌もの多いし、浦井君とか由美子ちゃんみたいなミュージカル系が客演しているし。

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今回は三浦春馬君がほぼ主役で、彼と関わる事になる五右衛門はちょっと引いたところで出てきて、最後はどかーんと派手な立ち回りがある。

春馬君は冒頭のコナン君風と、中盤のシリアス展開と、終盤の全てを解放されたキラキラが、正直落差にちょっとついていけなかった・・・。
中盤こんなにシリアスというか、あれ意外と考えの足りない感じの方向に行っちゃった??という展開にびっくり。

でも、春馬君がこんなに歌えて踊れる人だと思っていなかったのですごく驚いた。
これは確かに歌って踊らせたくなるな~と。

優ちゃんと二人できゃっきゃしている場面の後に、聖子さんが出てきてそれを再現して「けっ」てなる場面がすごい好き(笑)。

蒼井優ちゃんも、ふわふわ漂っている映画のイメージから一転して、明るく元気でおきゃんで一途な女盗賊で可愛かった。が、正直この役優ちゃんである必然性はどこに??と思った。
何ていうか「新感線ヒロイン」という役であって、これ若い時の羽野晶紀がやる役なんだろうな。と。別に優ちゃんじゃなくても、その時話題である程度動けてまあまあ歌える女優さんだったら誰でもいい感じがしてちょっと残念。
あとオーブの音響の影響を一番受けた人なので無念。

五右衛門登場シーンの派手派手演出と、最後の船出の派手派手セットはやっぱり見ていて気持ちいい。
ロック部隊の歌いまくりもめちゃくちゃかっこよかった。

五右衛門は変装の達人なのだが、ラスト、春馬君を捕まえに来た時の変装は、序盤の石田光成とのやり取りが伏線なんだけど、春馬君が気づいていないのがあれ?って思った。
こういうわかりやすい伏線も、お約束!!でいいよね。と思う。

でも、最後はもちろん持っていくんだけども、思っていたよりも五右衛門の印象が残っていない。
前田とか光成とか、周辺のおじさまズの方が何か印象に残っているのは何でなんだろう。

五右衛門が割とみんなを見守り、助ける側で一歩引いている感じがしたのかな~。

五右衛門と前田慶次郎との家族に近い友情も好き。
そして前田橋本じゅんさんと、光成粟根さんの二人の殺陣シーンもかっこいい。

前田に「どこまで秀吉につきあうんだ」と聞かれて「最後まで」と言う光成がすごいかっこよかった。
ああ。粟根さん。やっぱり好き。

薔薇サムからの連投組、シャルル浦井健治さん。
浦井くんのスーパーばか坊ちゃんは本当に素晴らしかった(笑)。声が高すぎて最初誰が話してるか分からなかったけど(笑)。周りの空気をかき回しでも本人は悪気はなく一人キラキラ。
堺の町が危機に陥り万事休すとなった時にさっそうと現れる所もかっこいい。

浦井くんの美声が全てくだらない歌で発揮されるところも素晴らしい無駄遣い(笑)。
高橋由美子ちゃんとのデュエットしかり。

そしてすごい好きだったのは、前田慶次郎じゅんさんとのデュエット。出会った瞬間から心が通じ合う二人(笑)
「君はミラーボール」「二人の派手好きが世界を救う」と意気投合し気持ちよく歌う彼らが愛おしい(笑)。

実はすべてを知っているが、一見にこにこと、淡々とそこにいる春来尼高橋由美子ちゃん。
由美子ちゃんは本当に歌が上手くなったし、こういう素っ頓狂な尼さんが似合う。そして全然年取らない可愛さ。おかしい(笑)。

秀吉とのエピソードで、きちんとオチる所もよかった。ああ。そうなんだ!!

ラスボス?マローネ高田聖子さんと善兵衛村井さんはさすがの貫録。
聖子さんは普通の人では着こなせない素敵衣装の数々を着こなすところがまず素晴らしい。
エスパーダとのばかばかしいやり取りも好き。マローネはなんだかんだ愛嬌のあるダメ悪役っぷりがいいと思う。

善兵衛村井さんは本当に黒い商人で素晴らしかった。
利用できるものは何でも、冷静ににっこり微笑みながら逃さない。
心九郎を利用し、そろそろ引こうと思った時にさっさと裏切る所がさすがで怖い。

秀吉の麿さんはすごい存在感。怪物感と、何だかんだキラキラした新感線の中で異質な異形ぶり。
ラスト、由美子ちゃんの春来尼の、「本当の宝が何かと、それはどういう状況が出現するかについて」の場面で、秀吉の中で線引きというか、覚悟が決まっている所が見えてかっこよかった。

あと、劇団員のみなさんと、心九郎の少女探偵団だっけ?が可愛くて大活躍だった。
逆木圭一郎さんと村木仁さんの「子ども」とか(笑)。
エスパーダ川原さんの変なダンスというか聖子さんとの絡みが忘れられない。
右近さんのアビラも何か変な人だった・・・。

小林少女山本カナコさんはほんとにコナンみたいで可愛かった!心九郎のために心を尽くすいい人。
盗賊たち。金次の河野まことさん。最初誰だか分かっていなくて、すごい若い役者さんがやってると思ってた・・・。何か軽やかな印象だったから。
お霧村木よし子さんと、おつゆ中谷さとみさんは冒頭の盗み場面が印象的。あと盗賊たちはみんなファミリーみたいにそれぞれを守ってあげていて優しいなと思った。


派手なお祭り作品で、ぱーっと華やかで楽しくて、最後はばちっと五右衛門、心九郎、シャルル、と見得を切って戦い、オチも決まって楽しい観劇納めでした。

が、最後まで言うけど、音響さえよければ!!
あと、今度はもっと年齢層高いメインキャストの時に行こうと思います(笑)。


2012年12月21日 (金)

★『ポリグラフ 嘘発見器』を見る。久々なアート系?見た事に満足する舞台(笑)。

過去の思い出シリーズで舞台感想をこっそりUP中・・・。

『ポリグラフ 嘘発見器』を見てきました。
出演
吹越 満・太田 緑 ロランス・森山開次

出演者は3人。映像を駆使して、幻想的だけれども現実的で恐ろしい物語が展開する。

話の内容はうまく書けないのだが・・・えーと、舞台はカナダ。
女優のルーシーがオーデションを受けて映画の撮影が始まるが、その内容は実際に起きた殺人事件をトレースしている。

実際に起きた殺人事件の第一発見者フランソワは、ルーシーの隣人であり、彼は事件の際にポリグラフ(嘘発見器)にかけられている。実際の事件はまだ解決しておらず、フランソワはその傷から逃れられていない。

女優のルーシーがある時知り合ったディヴィドは、東ベルリンからの亡命者で検察官?犯罪学者?であり、フランソワをポリグラフにかけたのは彼だった。

そんな3人の危うい日常が、映像を駆使した抽象的なセットで断片的に語られ、物語が紡がれる。


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久しぶりに見た、分からない作品でした(笑)!!
たまにこういう前衛的な作品を見たい!!と思うのだが、最近はわかりやすい作品だったり、イケメン舞台を微妙な気持ちになりながら見たり(役者を追いかける事にしているので、時々あまり食指は動かないが新たな世界を見てみよう!と思う舞台にも行く)していて、こういう作品に行っていなかった。

吹越さん初演出で、パフォーミングアートっぽい感じでした。
私の中の分からない作品の基準としては「終わったことがわからない」があるのだが(笑)、今回はあ、終わりかな。とわかったものの、系統としてはそういう感じでした。

でもすごく面白かった!!
影絵のように映し出される人の影と、現実にそこに居る人とが二重写しになったり。

ベルリンの壁が象徴的に出てきて、壁を越えていくデヴィッドとか。
フランソワが働くレストランの場面の、執拗な繰り返しの時のフランソワのテーブルセットとか。

森山さんを久々に見たが、やはり大好きです。ダンサーは体の動きが常人とは異なるので、居るだけでいろんなニュアンスを出せて素晴らしいと思う。
ゲイでコカイン中毒で、不安定。ゲイのクラブ?で何か激しいプレイをしているよ。ていう場面。・・・てどういう説明だ・・・を出来るのはダンサーというか森山さんだからだよな~と思った。何かすごかったです・・・いろんな意味で。
コカイン中毒中の、ガラスの机を下からカメラで撮っていて、それが映し出されるのも印象的だった。

太田緑ロランス。ロランスさんは初めて見るのだが、本当に美しくて、こういう何かの象徴のような作品にぴったりの無機質さを持っている。
彼女が舞台でハムレット役をやっていて、どくろを持ちながら台詞を言う場面があるのだが、何かの予言のように聞こえてとても印象的だった。

デヴィットが帰る。という場面で「行くの?」ってがばっと抱き着いてというか足を絡ませて行かせずにキスする所があるんだけど、結構長いし結構激しくキスしているのにすごく無機質な空気が漂っていたのが印象的だった。
生々しいことをしてもぜんぜん生々しくならない。綺麗すぎるから??

最後の方で、照明が完全に落ちて影絵のようにシルエットだけが浮かび上がり、3人が今までの出来事をマイムで表現する、みたいな場面が何度も何度も繰り返される。私は一番後ろの席だったので「なんか着てないみたいに見えるよな~」と思っていただけだったのだが、後で他の方の感想を見てみたらばやっぱり3人とも全裸だったのであった。
12月の公演で女の子を全裸にしちゃいかーんっ。と、激しく思った。
まあ男性もできればダメだが。

シルエットだけなので、やっぱり、生身感が薄くて、常に一枚何かで隔てられているような、静かな空気感の中、フランソワが耐えられなくなり、自ら死を選んだ??というような場面が入り、幕。


この作品は、始まりに3人が素で登場し、ロランスさんがフランス語で注意事項を言い始め、そのあと日本語で注意事項が入り、吹越さんが「何かフランス語がわかるようになった気分に」みたいな事を話して、そのふわふわした雰囲気のまま「はじめます」と宣言して、唐突に始まる。

そして、醒めない悪夢のような、もどかしい現実のような、不思議な世界が繰り広げられ、そして唐突にやっぱり吹越さんが出てきて「終わります」と宣言して、舞台は終わりを告げる。

現実からふわっと浮遊しているような作品なので、このように突然つながる日常的な空気感、な演出はすごく面白かった。戸惑ったけど。


映像駆使の作品だが、本来舞台で敢えて映像を使うのであればこの位やって初めて「映像を使う意義があった」と言えるんだなと思う。
ちょっとでも位置やタイミングがずれると意味をなさなくなる映像がたくさんあって、すごく緻密な作品だった。

あと、森山さんの身体能力というかコンテンポラリーダンサーはこういう作品でこそ!!な体の使い方がさすがだった。机に立っている時のバランスとか。あとセクシー場面というか何かそういう場面(笑)のバランス。やってる事もびっくりだけど、そこでバランスとれる事がびっくりだよ。
森山さんはどこか無邪気な子どもみたいな印象があるのだが、今回も魂が純粋な子どもに見えて、やっている事はコカイン中毒とかだけど、何かすごく哀しみと寂しさを感じた。

吹越さんの飄々と、冷徹な印象が、この作品全体のイメージを決定づけていたのかなと思う。
東ベルリンから逃げてきて、どうやら家族を置き去りにしたトラウマがあるようだけれども、今はぱっと見淡々と仕事をしている。
でも時々突発的に情熱的というか暴力的というか、感情が暴走しているような時もあり、でもその時ですらどこか俯瞰しているような透明な空気が流れていた。
かすみがかかった現実の中をふわふわ歩いているような感覚。

物語をどう捉えるべきか、生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。とか
東ベルリンからやってきた「壁」とは。とか
フランソワの不安はどこから来るものなのか。とか
考え始めるとぐるぐるするのだが、結論は出ないので、「分からないけどとにかく面白かった!!」というばかっぽい感想で(笑)締めたいと思います。

やっぱりたまにはこういう作品見たいよね。
王道もいいけどね。

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